ぼくは今、会社に属している。
大学にも属していたし、その前は専門学校、高校・・・と、属することに関してはエキスパートだ。
会社に所属してから10年。その間、ぼくの人生観は様々な変化が起きた。
社会に出て10年過ごしたワタシ。そのワタシが次の10年、ひいては生涯を通してやりたいことはなんだろう。と、最近よく考える。
この本を手に取ったのは、そんな気持ちのモヤを少しでも晴らしてくれることに期待したからだ。
「属さない勇気」
著者は堀江貴文さん。
ライブドア事件のことを覚えている人もいるかもしれない。ぼくが社会人になる時期にニュースを賑わせた人だ。
今は宇宙開発事業やグルメ企画、サロン運営、そしてこういった書籍の制作など様々なことをこなしている。
「属さない勇気」は、仕事に忙殺されているADの林田マサミが、謎のビジネスマン ホリーへの取材を通して、自分の生き方を見つめ直すカタチで展開される。
もちろん、ホリーとは堀江貴文さんであり、林田マサミはぼくたち読者の分身だ。
常識を疑う勇気を持つ
世の中が常識だと信じているものを疑う勇気を持て!
人は学校を卒業し、社会人になったらどこかの会社に所属する。多くの人にとってこれが常識だろうし、ぼくもそう思っている。
学校の友達に就職しなかったやつはいなかったし、進路相談室には就職のための資料は山ほどあっても、自分で店を開くための知識は置いていない。
卒業シーズンになるとSNSでは、頼んでもいないのにサラリーマンたちが新社会人に向けて、先輩面して「俺の仕事論」を説く。
就職が前提。常識なのだ。
ごく一部の学生がベンチャーをスタートアップさせるが、こんなのは別の世界のお話。常識というメガネには離れた景色が映らない。
ぼくの友達が一人、独立して事業をやりはじめた。ぼくの目には彼がとてもキラキラして映る。
「会社辞めたら食べていけないだろ、常識的に考えて。」
↑こんな常識に疑問を持たないと。
プライドを捨てる
結局、君が辞められないのも異動できないのも、プライドのせいなんじゃないのか?
プライドが足かせになって行動ができないことは多い。
何かやろうと思っても、最初から「デキが悪いと馬鹿にされる」とか「失敗したら恥をかく」とかぐるぐる考えて足がすくんでしまう。
この本はそんなプライドに対する処世術を教えてくれる。
ぼくは、自分がプライドや承認欲求が高いと自覚している。だから人一倍、”新しいこと”に対して腰が重い。
改めて「プライドのせいなんじゃ?」と言われると胸にナイフを刺された気分になる。と、同時に妙に腹に落ちる感覚もあった。
プライドを意識的に排除してものを考えると、なんだか体が軽くなる。
おわりに
何かに迷っている人って、自分の中で結論はもう出ているんだと思う。
だから必要なのはアドバイスではなく、そっと背中を押してあげること。
この本は生き方について、「ちょっと乱暴な言葉」で「そっと背中を押して」くれる。