写真のライティング沼にハマってしまいました。
もともとライティングへの興味はアリ寄りのアリだったところに、カメラ部の友人がい〜いタイミングでスタジオ撮影の企画を立ててくれた。(感謝)
まさしく沼に引きずり堕とす渾身の一撃を全力で受けてしまったわけです。
さて、使わせていただいたスタジオはai Route studio様。東京都足立区、最寄駅は五反野(五反田じゃないよ!)にあります。
ぼくはスタジオ撮影とか初めてだったので、開始前はドキドキしっぱなしでした。
ドキドキしすぎて五反野に着いてから駅前で消火栓とか撮ってた。
〜閑話休題〜
今回の記事では、室内逆光において「モデルさんが暗くなってしまう」問題をストロボを使って回避することができたので、撮影の反省としてお話していきます。
逆光でモデルさんの顔が暗くなってしまったらストロボを使って明るくする
モデル:柚子餅さん(@mochi_yz28)
モデルさんの衣装はFGOというスマホゲームの葛飾北斎というキャラクター。
大きな筆を持ち、頭や腰にあつらえた大きなつまみ細工調の飾りが可愛らしい。
これ作ったのかな、すごい。
ai Route studioの別館、畳の敷いてある和室ブースがあった。いかにも和風キャラクターが似合いそうな場所。
このブースの特徴的なところは、背面に風車のついた大きな障子窓があり、これが本物の窓のため外の柔らかく明るい光が室内に入り込んできます。
撮影日はとてもよく晴れていて室内に比べると外はかなり明るかったので、窓を背景にすると、窓からの逆光でモデルさんの顔が暗くなってしまう。(カメラの設定によっては真っ暗なシルエットになる)
こんなシチュエーションのときは、モデルさんに向けてストロボを光らせることで暗くなった部分を適正露出まで持ち上げると綺麗に仕上がるのは本で学習済み。
撮影時のカメラ設定
撮影時のカメラの設定は以下。
- 絞り:F2.8(開放)
- シャッター速度:1/125
- ISO感度:100
- 焦点距離:75mm(望遠端)
背景の風車を最大限明るくボカしたかった意図があります。
モデルさんにできるだけ手前に来てもらい背景と距離をあける。その上で望遠端の75mmにセットして廊下から撮影しました。
ボケと圧縮効果で背景はいい感じになったんだけど、やはりモデルさんがいささか暗い。
なので本で読んだことを思い出し、モデルさんから見て右側にソフトボックス、左側にアンブレラを配置し調整しながら光らせた。
最終的にはややアンダーに撮影した写真を採用。RAW現像でバランスを見ながら露出を調整して完成です。
なぜ逆光だと暗くなってしまうのか?
誰しも経験的に分かってることですが、なぜ逆光にカメラを向けると被写体が暗くなってしまうのか?
これはカメラの測光により、写真が明る過ぎると判断され、自動で全体の露出が下げられることに原因があります。
人間の目で見ると被写体が少し暗いなって思うぐらいでも、カメラで撮影すると被写体が真っ暗でシルエットになってしまう。
人間の目に比べてカメラはダイナミックレンジ(識別できる明るさの幅)が狭いので、白飛びを抑えようとカメラが気を利かせて露出をアンダーにすることで、光の当たっていない部分が思った以上に暗くなる。
逆光による暗さをストロボで明るくする利点
逆光のシチュエーションでは、ストロボを使うことでモデルさんの顔が暗く写ってしまうのを防ぐことができる。
ライティング関係の本では見てたけど、実際使ってみて「ここまで違うものか」と感じた。
逆光の暗さをなんとかする手段は色々あるけど、ストロボを使った方法は以下の点で有利です。
- 光をコントロールできる
- 背景に影響を与えずに明るさをコントロールできる
光をコントロールできる
まず第一に、光をコントロールできること。
ストロボは発光量が調整できるので、明る過ぎたら光量を下げ、暗かったら光量を上げることができる。
いささか明る過ぎるとか、シャープに写したいとかで絞りを絞ったら、その分ストロボの発光量を一段二段と調整できるのは自由度が高い。
コレがレフ板だけだとこうはいかない。
背景に影響を与えずに明るさをコントロールできる
次に、背景に影響を与えずモデルさんの明るさを変えられること。
カメラの露出補正だけでは、モデルさんを明るく写そうと露出補正をプラスしていくと、どうしても逆光部分が白飛びしてしまう。
また、絞り開放で背景をボケさせた上でモデルさんが適正露出となるように調整できるのも便利だった。
ストロボを使わずに明るくする方法
この記事は、ライティングに感激して「ストロボはいいぞ」って内容なんだけど、ストロボを使わなくてもモデルさんを明るくする方法がないわけじゃないです。
制約はあるもの以下の方法でモデルさんを明るくすることはできる。
- 露出補正をプラスにする
- レフ板を使う
- 構図を変える
- レタッチでスポット調整、覆い焼き
露出補正をプラスにする
カメラが自動で露出を下げちゃうなら、露出補正をプラスして戻せばいいじゃないという方法。
ただし、この方法だと白飛びしないようにカメラが適正露出にしていた部分は白飛びしてしまうかもしれない。
個人的には「白飛びは悪!」っていうのはなくて、表現の一種だと思うので、それでモデルさんが綺麗に写るならそれでいいかなと思う。
モデルさんをピンポイントで測光してAEロックを使うのもいいと思う。AEロックは、測光した適正露出をロックしてくれる機能。
レフ板を使う
窓から入ってきた光をレフ板を使ってモデルさんに返す方法。
窓から、しかも障子などで拡散された光だとモデルさんを明るくするほどの光は返せないかもしれない。
構図を変える
いっそのこと構図を変える方法。
逆光はモデルさんが暗くなってしまうが、カメラマンが45度ほど動いて半逆光〜側光ぐらいにすれば、モデルさんも暗くならないし自然な光で綺麗な写真を撮れる。
レタッチでスポット調整・覆い焼き
許せる範囲の薄暗さであれば、そのまま撮影してレタッチでモデルさんだけ明るく補正することもできる。
但し、そこだけ何段も露出を上げると不自然に浮いて見えるので、あくまでも許せる範囲の明暗差の時だけ使える。
さいごに
今回は、室内逆光状況でストロボを使った撮影を振り返ってみた。
背景とモデルさんとの距離によるけど、背景の露出に影響を与えずにスポットで露出を持ち上げることができるストロボは色んな場面で役に立つと改めて実感した。
薄暗い室内+窓という状態は、窓を背景にすると逆光になってしまい撮りたい人物が暗くなってしまう。それが1灯ないし2灯のストロボがあれば問題なく撮影することができる。
もしストロボがなくても、以下のどれかの方法は使える。
- 露出補正をプラスにする
- レフ板を使う
- 構図を変える
- レタッチでスポット調整、覆い焼き
とは言え、安い物を選べばストロボ自体の値段はそんなにしないので、試しにストロボライティングをやってみるのもいいと思う。
ぼくももっともっとライティングについて精進したい。